~日帰りでできる、膝の新しい痛み治療~

クーリーフ(Coolief)とは?
クーリーフ(Coolief)とは、変形性膝関節症などの慢性的な膝の痛みに対して行う、切らずに痛みを和らげる新しい治療法です。 この治療は、「末梢神経ラジオ波焼灼療法」とも呼ばれ、痛みを感じる神経に高周波(ラジオ波)を流し、神経の働きを一時的に抑えることで痛みを軽減します。従来の手術や注射とは異なり、身体への負担が少なく、日帰りでの治療が可能です。
特徴
- 切らない治療:皮膚を切開せず、専用の針を用いて行います。
- 冷却機能付きラジオ波:神経周囲の組織を保護しながら、痛みの伝達を抑制します。
- 日帰り治療が可能:入院の必要がなく、短時間で施術が完了します。
- 保険適用:2023年より保険診療として認められています。

治療の対象となる方
以下のお悩みをお持ちの方は、ぜひ当院までご相談ください。
✅変形性膝関節症の方
✅既存治療(内服・外用剤、関節内注射、リハビリなど)ではなかなか痛みが改善しない方
✅痛みは取りたいが、手術はしたくない方
✅持病や高齢により手術を受けられない方
✅事情により入院ができず、日帰りでの治療を希望される方

治療の効果と副作用について
クーリーフは、超音波エコーを使用しながら、膝に関係する3つの神経(上内側膝神経・下内側膝神経・上外側膝神経)をターゲットとして治療を行います。 局所麻酔をしたのち、痛みを伝える神経を高周波による熱で焼灼します。


特徴と仕組み
- 痛みを伝える神経だけをターゲットにし、運動神経には影響を与えません。
- 使用する針には特殊な工夫が施されており、温度を絶妙にコントロールしながら焼灼。
- 神経を完全に破壊するのではなく、再生可能なレベルで焼灼するため、安全性が高く、効果が持続します。
- 治療前には、同じ神経に対して診断目的の神経ブロック注射を行い、効果を確認します。
治療効果
米国で実施した臨床試験では、痛みの程度が半分になったという割合は74%でした。
その痛みの平均は10段階(10が一番痛いと感じる段階)のうち3ー4でした。

リスク・副作用
針を刺す痛み、火傷、けいれん・筋収縮、皮下出血、かぶれ、発赤、神経・血管損傷、異常感覚(しびれ・違和感)、痛みの悪化、局所感染などが生じる可能性があります。
費用について
Coolief(クーリーフ)の費用
保険診療の場合(片膝あたり)手数料のみ 片膝:約150,000円
- 3割負担:約50,000円
- 2割負担:約32,000円
- 1割負担:約16,000円
治療の流れについて
① 初回診察の予約
診察をご希望の方はWEB予約にお進みください。 診察前にクーリーフについて相談をご希望のかたは無料相談にお進みください。
② 初回診察で行うこと
1.変形性膝関節症の診断
当院では、膝の痛みの原因を正確に把握するため、以下のような診察・検査を行っています。
<問診>
痛みの部位や強さ、どのような動作で痛みが出るかなど、詳しくお伺いします。
<レントゲン検査>
膝関節の隙間の狭まりや骨の変形の有無を確認します。
<超音波検査>
関節内に水がたまっていないか、炎症や骨棘(こつきょく)の有無を調べます。
2.クーリーフ治療(末梢神経ラジオ波焼灼療法)の適応判断
クーリーフ治療が適しているかを判断するため、まずは局所麻酔によるテストブロックを行います。
- 治療予定部位に局所麻酔薬を注射し、痛みの変化を確認します。
- 注射後に痛みが半分以下に軽減した場合、クーリーフ治療の対象となります。
- テストブロックの効果は数時間から1日程度です。
3.クーリーフ治療のご説明
治療にあたっては、同意書や説明動画を用いて、以下の内容を丁寧にご案内いたします。
- 治療の流れや当日の注意点
- ご不明な点への質疑応答
4.ご予約
クーリーフ治療は水曜午後に実施しております。
- ご予約は診察時に承ります。
- ご高齢の患者様には、治療当日にご家族の付き添いをお願いする場合がございます。
③ クーリーフ(末梢神経ラジオ波焼灼療法)治療当日
クーリーフ治療の流れ(所要時間:約1時間)
当日は、治療ベッドに仰向けの姿勢でお休みいただき、足を消毒したうえで、以下の手順で治療を行います。
1. 局所麻酔の実施
治療部位に局所麻酔の注射を行い、痛みを感じにくくします。
2. 電極針の挿入
超音波(エコー)装置を使用しながら、神経の位置を確認し、正確に電極針を挿入します。
3. ラジオ波による神経治療
低温のラジオ波(高周波)を約2分半照射し、痛みを伝える神経にアプローチします。この処置を3〜6か所に繰り返し行います。
4. 院内での経過観察
治療後は待合室で15分ほどご休憩いただき、体調に問題がなければそのままご帰宅いただけます。
④ 治療後の注意事項
クーリーフ治療後は、以下の点にご注意ください。
1.ご帰宅時のお願い
- 治療には局所麻酔を使用しているため、治療後1時間ほどはふらつきや気分不良が起こる可能性があります。
- できるだけご家族の付き添いをお願いし、ご帰宅後は無理をせず安静にお過ごしください。
2.テープと入浴について
- 膝に貼付したテープは、24時間後にご自身で剥がしてください。
- テープを外した後は、入浴が可能です。
3.温めすぎに注意
治療部位の皮下出血を防ぐため、治療後1週間は以下のような過度な加温を避けてください:
- 長時間の入浴
- こたつや電気毛布
- ストーブなどの直接的な暖房
4.一時的な痛みについて
- 治療後、数時間〜数日間にわたり、治療部位に一時的な強い痛みが出ることがあります。
- 痛みが強く不安な場合は、お電話のうえ、診療時間内にご来院ください。
クーリーフを動画でご紹介

よくあるご質問
Q1.クーリーフ治療で膝の変形も治せますか?
いいえ、クーリーフ治療は痛みの軽減を目的とした治療であり、膝関節の変形そのものを治すことはできません。
変形の進行を防ぐには、リハビリや装具療法が必要です。見た目や可動域の改善には、手術が必要となる場合があります。
Q2.治療後、痛みは完全になくなりますか?
効果には個人差がありますが、多くの方が日常生活が楽になる程度の痛みの軽減を実感されています。
ただし、完全に痛みが消えるとは限らず、一部の方は引き続き痛み止めや注射が必要になることもあります。
Q3.クーリーフ治療は何回でも受けられますか?
基本的には1年以上の間隔を空ければ再治療が可能です。
ただし、頻繁に繰り返すことは推奨されておらず、医師の判断に基づいて適応を検討します。
Q4.人工関節を入れていても治療できますか?
人工関節置換術を受けた方でも、クーリーフ治療は実施可能です。
ただし、保険適用外(自費診療)となる場合があるため、事前に医師とご相談ください。
Q5.治療後すぐに効果は出ますか?
治療直後に痛みが軽減したように感じるのは、局所麻酔の効果によるものです。
クーリーフによる本来の効果は、2日〜1週間程度で徐々に現れることが多く、個人差があります。
Q6.クーリーフ治療の効果はどのくらい持続しますか?
臨床試験では、6か月後に痛みが50%以上軽減した患者が約74%という結果が出ています。
効果は半年〜1年以上持続することもあり、12〜24か月後も改善が続くケースも報告されています。